この書籍は、鳥取大学で環境計画学や社会デザインなどを教え、放棄農地の自然再生などに取り組む著者が「生物多様性ネットゲイン」制度を導入した英国に赴き、開発行為の前後で生物多様性を10%以上高めたサイトを多数調査した驚きとともに、日本におけるネイチャーポジティブのあり方について提起する内容となっています。
自然再生の研究に取り組む研究者、環境保全や国土保全、農林業の実務に取り組む行政機関や建設コンサルタント、ネイチャーポジティブに取り組む民間企業の関係者などにも、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
<目次>
・第1章 ネイチャーポジティブへの転換
1-1 ネイチャーポジティブへの想い
1-2 環境の保全・改善を超えて
・第2章 生物多様性ネットゲインとは
2-1 生物多様性ネットゲインの仕組み
2-2 生物多様性ネットゲインの現状評価
・第3章 イングランドの生物多様性ネットゲインの探求の旅
3-1 住宅の開発で高まる生物多様性(キングスブルックの住宅地開発)
3-2 失われた野花が咲く草原を再生して収益化する(ウェンドリング・ベック・プロジェクト)
3-3 ネットゲインで成長する民間のハビタット・プロバイダー(エンバイロメント・バンク)
3-4 絶滅したビーバーが造り出す湿地帯(スペインズ・ホール農場)
3-5 泥炭地の再湿潤化が生み出すカーボンクレジット(ハイ・フェン・ワイルドランド)
3-6 流域住民の協力と信頼を紡ぎ合わせた自然洪水管理(ストラウド・バレイ)
3-7 自然再生に向けて牧草地の栄養塩を低減する(ワイルド・コブハム)
・第4章 生物多様性ネットゲインから日本のネイチャーポジティブを考える
4-1 英国の生物多様性ネットゲインから日本が学べること
4-2 ネイチャーポジティブのマーケット形成に向けて
4-3 様々な組み合わせによるマーケット形成
・第5章 放棄農地を自然に還す
5-1 放棄農地を自然に還す事例を追い求めて
5-2 放棄農地を自然再生する手法を開発する
5-3 放棄農地の多面的価値の発現と社会実装